牟岐ふるさと応援店ステッカー&キャンペーンカード制作秘話 【株式会社ピースリーピースさんインタビュー】

牟岐町では、牟岐ゆかりの方や牟岐町を応援したい方が営む飲食店や宿泊施設、気軽に立ち寄れる施設などの情報を収集し『牟岐町ふるさと応援店』として情報発信を行っています。2024年11月時点で、牟岐町内の33事業者さん、徳島県内(牟岐町外)の28事業者さん、徳島県外の6事業者さんを登録しています。

牟岐ふるさと応援店を起点に、牟岐ゆかりの人たちが関西圏や首都圏などから牟岐の情報にアクセスをできたり、繋がりを持ち続けられたりすることで、牟岐人の輪を広げていきたいと思っています。

【牟岐ふるさと応援店情報】はこちらから⇩
https://www.town.tokushima-mugi.lg.jp/docs/2023031600016/  

今回、令和5年度事業で「牟岐ふるさと応援店」を広報することを目的に、牟岐ステッカーとキャンペーンカードを制作しました。制作してくださったのは、大阪に拠点を置く株式会社ピースリーピースさんです。ピースリーピースさんは誰もが知る毎日放送の番組宣伝用キャラクターである「らいよんチャン」の生みの親であり、広告やクリエイティブ業務をされている制作プロダクションです。
今回は、社長の阪上寿満子さんとフリーランスでグラフィックデザイナーの笹田憲孝さん、フリーランスでアーティストのJYAMIJYAMIさんにお話を伺いました。
【株式会社ピースリーピースHP】 http://www.artistbank-jp.com/p3p/about.html

「徳島は特別」という阪上さんは、幼少期には美波町の伊座利にあった祖父母の家に遊びに行っていたそうです。当時は魚が嫌いで、伊座利には遊ぶところがないと感じていたそうですが、祖父母との思い出や日常とはかけ離れた地域独自の文化を経験したことが「徳島は特別」という想いに繋がっています。現在は美波町に循環型サテライトオフィスを開設されており、昨年は牟岐町でSUP体験を行うなど、ワーケーションも行われています。

Q. 牟岐町は全国的に知名度がそれほど高くない地域だと思います。
そこで、牟岐町を初めて知ったのはいつで、どのようなきっかけだったのでしょうか?

阪上さん:私は、伊座利がゆかりの地なので、美波町にサテライトオフィスを開設させていただいております。その関係で、徳島県南地域の自治体さんにはご挨拶に伺っておりました。牟岐町さんにも2年ほど前(2022年頃)に視察をさせていただいて、その頃から定期的に町を訪れております。2022年の冬には、大阪で開催されていた「関西むぎの日」にも牟岐町のイラストを描くためのサンプル集めみたいな感じで遊びに行きました!

JYAMIJYAMIさん:そうですね。阪上さんから大阪で牟岐町のイベント(関西むぎの日)があるから「遊びにきーや」とお誘いを頂き、そこで牟岐町のことを知りました。企画に参加したり、勝浦花かつをを買ったり。イセエビ釣りの企画が印象的で、イセエビ食べたいなと思っていました(笑)

 「関西むぎの日」は2019年から始まった、関西で牟岐町出身の方々や牟岐ゆかりの方々と交流するイベントです。大阪公立大学経済学部松本ゼミとのコラボイベントも開催しています。牟岐の物産を買うことができたり、体験コーナーで牟岐の文化に触れられたり、牟岐町と繋がれて嬉しいと好評です。

Q. 実際に牟岐町に訪れられた時、何が印象的でしたか?

JYAMIJYAMIさん:牟岐町を訪れて、「海が綺麗やなぁ」というのが最初の印象でした。「海が中心となっている町」、「海があることが当たり前にある中での日常の営み」という感じで、こんな近くに海があったら毎日来たいなと思いました。モラスコむぎから見える景色も素敵でしたし、2日目に行った静かな海のところ(内妻海岸)の浜辺を歩いたり、すごく気持ちがよかったです。

阪上さん:やっぱり水が綺麗!今回、笹田さんと一緒に牟岐に来ることはができませんでしたが、牟岐町の写真をお見せしたり、ジャミちゃんと行ってきた牟岐の情報を色々お話ししたり、行かれていない立場から真っ白な状態で作ってもらえたんじゃないかなと思います。

牟岐町内をドライブしていると海が見えたり、波の音が聞こえたりします。「海が中心となっている町」「水が綺麗」というのは、住んでいると当たり前になってしまいますが、改めて牟岐町の魅力を作品として残すことができ、人に伝えられるのは意義のあることです。

Q. 出来上がった牟岐ステッカーとキャンペーンカードは牟岐町の空気感やいい意味でゆるい感じが伝わる素敵なデザインだと感じました。こだわりポイントを教えてください。

JYAMIJYAMIさん:私の絵のタッチは写真みたいなリアルなタッチじゃないので、綺麗な海や自然、鳥の声などをどうやったら絵にうまく再現できるかな、どうやったら牟岐の良さを伝えられるかなと不安なところはありました。実際に町を見て回ったり、意見を貰ったりしたことから、私のタッチを崩さずにイラストを描くことができたと思いました。

阪上さん:最初、ジャミちゃんのイラストを笹田さんと見て、「もっとジャミちゃんらしさ出したほうがいいよな」と駄目出しをして描き直してもらったんですよ。ジャミちゃんは役場の広報にするものに自分の個性的なタッチを取り入れて良いのかというのを気にしていたと思うんです。最初は試行錯誤してたよね。

笹田さん:僕はまずジャミちゃんの絵を一番に活かさないといけないなと考えていたので、表面はなるべくシンプルに、言いたいこととイラストが目立つようにしました。あとは、自然豊かな町ということで、ゆるめの書体でほんわかした感じが伝わるようなイメージで制作をさせていただきました。

阪上さん:カードには、ジャミちゃんのイラストが一面に入っていますが、実は笹田さんのデザインによって仕上がりが変わってきます。文字は、書体や微妙に大小を変えることで印象が変わります。紙の質感は、光沢紙とちょっと黄みかかった紙とでは大きく変わってきます。
ねこぐるまのカードを例にとると、バックの色を真っ白にしようかとか、後ろにポツポツを入れようよとか、一緒に話し合っていく中で、イラストレーションだけではなく、笹田さんのデザインによって加味されていくと、どんどん仕上がりも変わってきました。

Q. 細かいところまでこだわりが詰まったカードですよね。
では、制作で苦戦したところはありますか?

笹田さん:方言について、阪上さんと話をして、カタカナにしたほうがいいのか、標準語を先に出したほうがいいのかなど試行錯誤しました。
「これおっきょいなぁ」とか、方言が本当に使われているのかを確認しながら、それが新鮮で面白かったですね。さりげない感じじゃないとわざとらしさが出ますし、類似した言葉があったらこっちにしてくださいとかご指示いただきました。最終的には、方言を大きくカタカナで出すという風に分かりやすくできたなと思います。

阪上さん:私はカードの裏面の文章を書いたんですけど、文字数をできるだけ削って、内容を濃く伝えられるようにすることにすごく苦戦しました。
ここもメインの言葉を方言にするのか、語尾を方言にするのか、どの程度方言を強調するのかなど、方言の選定にすごく時間がかかりました。お借りした牟岐の方言についての書籍を何度も読み返しました。方言がデザインにも関わっていったし、方言がこのカードの肝になったという感じがします。

Q. 阪上さんから今回の反響が大きいと聞きましたが、シールやカードに対して、
ジャミジャミさん、笹田さんの周りの方々のリアクションはどのような感じでしょうか?

阪上さん:イラストレーションにキャッチーな雰囲気もあるし、牟岐町の雰囲気も伝えられるようにデザインしているので、放送局や広告代理店、クリエイターなどの皆さんが「自治体さんでこんなん作ってんねや」という印象を持ってくださっています。
最初、役場の方に「デジタルでなくていいんですか?」と聞いたら、「いや、紙がいいんです」とおっしゃられたんですけど、配ることがコミュニケーションツールにもなっていると感じます。「牟岐町ってどこ?」「こんなとこあるんや」とか早速調べて、「釣り行くわ」「波乗りに行くわ」「お魚食べに行くわ」とか言ってくれた人もたくさんいました。やっぱりアナログな感じがかえって温かみがあると感じています。

笹田さん:イラストも文字も可愛いねという反応が多いですね。
大阪の北堀江にあるART HOUSEで行ったジャミちゃんの展覧会にも今回のステッカーとカードを置いて…

JYAMIJYAMIさん:置いていた分は全部なくなりました!

JYAMIJYAMI solo exhibition “every day”
https://art-house.info/gallery/20240531jyamijyami/

Q. 今後、牟岐町でやりたいことや興味のあることはありますか?

阪上さん:今回作成した牟岐ステッカーとキャンペーンカードを2025年3月に行われる出羽島アート展で展示できたら面白いなと思っています。牟岐町の作品として一つそういう枠を設けることができたらいいんじゃないかなと。ステッカーやカードの存在を知ってもらえるように、制作秘話を一緒に展示していただいたら、もっと牟岐のことを知ってもらえると思うし、移住してきた方や役場の方々にもより近い存在に思ってもらえるかなと思います。

※出羽島アート展2025 は牟岐港から連絡船で約15分のところにある有人の離島・出羽島で3月22日から30日の10日間に開催予定。

笹田さん:僕はまず釣りとかね(笑)普段は和歌山のほうとか船で行って大きなアジやイサギを釣ったり、生まれが京都の海があるほうなので、イカを釣りに行ったりしています。
私のモットーが「楽しくお仕事をする」なんですが、牟岐町やジャミちゃんとの出会いがあり、ステッカー、カードを作らせていただき、またこんな企画があれば呼んでいただけたら嬉しいです。

JYAMIJYAMIさん:このお仕事から繋がりができたことがすごくよかったと思いますし、なんかまだまだやれますという感じですね(笑)もうやらしてくださいって感じで(笑)

阪上さん:業界でいう「また同じメンバーで」っていうやつね。
今回のメンバーで制作を進めていく中で、メンバーの新たな面を見ることができ、気持ちよくお仕事をさせていただきました。次の機会があれば、発展型企画を今回のメンバーと一緒にやらせて貰えると嬉しいです。

今回、徳島に繋がりがある阪上さんをはじめとし、牟岐ステッカーとキャンペーンカードの制作から牟岐人の輪が広がりました。牟岐のゆるい雰囲気と魅力がイラストとなったステッカーとカードは、牟岐ふるさと応援店の目印として置かれています。これを見て牟岐町を知ってもらえたり、興味を持ってもらえる機会が増えたのではないでしょうか。
是非見つけたらカードを手に取ったり、その魅力を周りの人たちに伝えてみて下さい。

ライター:牟岐町地域おこし協力隊 真武未有

牟岐町西又地区の文化祭を訪れました。

11月2日(土)、3日(日)、4日(月)に令和6年度牟岐町文化祭に合わせて西又文化祭が行われました。過去に西又地区でも展示が行われましたが、今年は久しぶりに西又コミュニティセンターで地域の方々の作品が展示されていました。

西又コミュニティセンターを入ってすぐに展示されていたこの写真は、タヌキが猫の餌を食べに来ていたところです。その後、何回か訪れてきたそうですが、一度ガツンと怒ってから来なくなったとおっしゃっていました。山奥の地域だからこそ起こり得るカオスな状況ですね。

現在は行われていませんが、旧河内小学校で行われていた三協共楽大運動会の写真が展示されており、当時の賑わいを見ることができました。

そのほかにも西又地区の歴史や文化を知ることができるものや地域の方々が持っているお宝が展示されていました。

11月2日(土)の10時30分からは、炭窯の西沢秀夫さんをはじめ、西沢さんのご家族や集落支援員さんにより西又炭窯の見学と餅つき体験が行われました。
餅つき体験では、最初は米粒がなくなるように押しつぶしていき、その後はリズムよくペタペタとついていきます。私は初めて臼で餅つきを体験しましたが、みんなでわいわいと力を合わせて餅をつく様子を見て、現代では餅つきをする家庭や地域は少なくなっていますが、かつては家族や地域の交流の場になっていたんだろうなと感じました。

つき立てのお餅の中に餡子を包んでいきました。(つまみ食いもしながら…)

包んだお餅は炭窯で作られた備長炭で焼いて食べるのも美味しいです。

「医者より難しい」と言われる備長炭作りは西沢秀夫さんのお父様が生まれる前から受け継がれる伝統的な産業です。西又地区にいくつか炭窯はありますが、現在使っているのは西沢さんの炭窯だけになりました。現在は数か月に1回の炭焼きを行っており、備長炭はご飯を炊いたり、湯を沸かしたりと日常生活に欠かせないものとなっています。

西沢秀夫さんから炭窯についての説明がありました。
「具体的に炭をどう作るかというと、まず、林から木を伐採することから始まる。木を窯にドーム状に組み込んでいくため、切ってきた木の枝を払って、長さを整えてから、軽トラまで人力で運ぶ。窯の中にはぎっしりと隙間なく詰めていくため、軽トラ何杯分もの木が必要になる。隙間があると、うまく炭が焼きあがらないんよね。
1回の炭焼きを行うのには2週間ほどかかるんやけど、ゆっくりと窯の中で乾燥させて、真っ赤になった炭をエブリという鉄の棒を使って掻き出すと、200kgほどの炭が出来上がる。中は1000℃程度で、特に窯出しの時は前日の夕方から当日の夕方まで一晩かかるので体力がいる。でも、火の焚き方によって炭の出来上がりが変わってくるのでそれが面白いんよ。
主にウバメガシを使って備長炭は作ると、ほかに比べて火力が強くて、持続するから湯を沸かしたり、煮物をしたりするのに使っている。イスノキやソバノキは火力がウバメガシより弱いから魚を焼くのにはいいんよね。」

「イベントとかで学生が炭窯に来てくれて、炭で炊いた米を使って餅や赤飯を用意すると喜んでくれるんが嬉しいんよね。だから炭を作り続けている。この前来てくれた学生には『なんぼでも好きなだけ居れ』と言ったこともあったな(笑)」

西又文化祭では、これまで知らなかった西又地区の歴史や文化を感じられる展示を観賞したり、地域の方々とお話をしたりする中で、より西又地区の魅力を感じることができ、また、地域の方々同士や外のコミュニティとより繋がることができたと感じました。大学時代からNPO法人ひとつむぎで活動していた百田磨凜さんは今回が初めての西又地区で、こんな素敵なところがあったんだと新しい牟岐町の魅力を体感していました。最後に、地域の方から「また来るんでよ」と言ってもらい、また帰ってきたくなる温かい場所だと改めて感じました。

ライター:地域おこし協力隊 真武